・「風」から続くもの

昨秋、出展参加させて戴きました『工房からの風』 。
怒涛のハイシーズンから、漸くkoko kaltio.記念展に漕ぎつけて、
遠いところでのきらきらとした記憶のようにも感じます。
訪れて下さったkoko kaltio.でのお客様も、
手仕事の庭ゾーン入口付近にいらした硝子屋さんに
立ち止まった方もいらっしゃいました。(後日談話より)
『とりもと硝子店』の鳥本さん。
ベテラン硝子屋さん、荒川尚也さんの元修業をされて、
その後独立した、
実直にお仕事に向き合う印象の強かった作り手さん。
ろうそくを灯すときにあったらいいな..の、
ホヤを少し作って頂きました。
koko kaltio. 10th展にてご覧戴けます。
数点ですが、『工房からの風』再びの方も、
行けなかったけれど...という方にも...、
少し硝子の意匠も入ったホヤを、ぜひお手にとって
みて下さいませ。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
少し、秘話を。
前述の野外展では、できうる限りで、
主催側のディレクター さんとお話しする機会をもって
その当日に向け途中 々で整理しながら過してゆくのですが、
私の場合、幾度目かの参加となる前回は、
手になるもののことばかりではなく、
「灯り」そのもののお話、そこには薄れゆく文化ゆえの悩み...
そんなお話をしました。
前々回の時には、
そこに反応して下さったガラス作家・さこうゆうこさんとの
コラボレーションでキャンドルポットが生まれました。
今でも、少し改良案を戴いたりしながら、
大切にお届けしたいもの。ゆっくりと続いています。
(こちらもご案内中です)
只、それは、私のリクエストに快く応じて下さるも、
おそらく吹きガラスというお仕事の中で、
(素人ながら私がお察しする分には、)
とてもご苦労をお掛けするお仕事...なのかとも
感じております。(感謝しています。)
... そんなお話の中から、ディレクター稲垣さんから、
ご一緒の鳥本さんとお話してみては?
と、一石ぽーんと提案を投げかけて下さったのでした。
透明な硝子で、ホヤも手掛けた経験があるはず...と。
ミーティング途中で生じた提案でしたし、
『風』に向かっては、作家それぞれが、
その日に向けての準備も方向性も概ね定まって
準備の日々を重ねる中、
新しいことを相談するには、煩わせてしまう...かもで、
すべて終えてからお話してみようと考えました。
『工房からの風』一日目を終えての親睦会の席、
たまたま同じテーブルを囲んだ皆さんの中に
鳥本さんがいらっしゃって、漸くお話ができたのでした。
その席でも、じっくりとお話に耳を傾けて、
ご自身の中で話の内容をゆっくり納めて下さるような
その場の空気も今でも印象に強く残っています。
2016年の『工房からの風』、
ご一緒にその場に立つことが叶った異なる手仕事の種が
また一つ、雪の下からひっそりぽこっと芽を出した...
そんなご縁の恵です。